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この記事では、BtoBマーケティングで動画を活用すべき理由と、活用するタイミングを解説しています。具体的な活用事例、制作事例についても、実際の動画を交えてご紹介。ぜひ最後までご覧ください。
近年、BtoBの動画マーケティングは企業にとって重要性が増しています。理由は決済者が動画を視聴する習慣が付いてきたため、これまでよりも動画でのリーチが有効になってきたためです。
これまでは動画というとBtoCのイメージが強かったですが、現在は多くのBtoB企業も動画制作を始めています。
動画ならではの特徴として、文章では伝わらないような商品の魅力や、感情など含めて相手に伝わりやすい表現で伝えられるということがあります。
ユーザーの心を動かせる動画をつくることができれば、これまでよりもより意向の高いリード獲得ができる可能性があります。
しかし、これまで動画制作を行ったことがないという企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、そういった方にも分かりやすく、BtoBマーケティングで動画を活用すべき理由と、活用するタイミングを解説していきます。具体的な活用事例、実際にどのように動画を制作していくかの方法についても、実際の動画を交えてご紹介していきます。
BtoBビジネスで動画マーケティングが採用されることが増えている背景
BtoCビジネスでの動画活用はイメージしやすいですが、BtoBビジネスでの動画活用は、いまいち分かりずらいのではないでしょうか。なぜ今、BtoBビジネスにおいて動画活用が進んでいるのか、数字を元に確認してみましょう。
動画市場は、コロナ渦で動画を見る習慣が人々に根付いたことも作用し、成長を続けています。
一般財団法人デジタルコンテンツ協会の「動画配信市場調査レポート2024」によると、2023年の動画配信市場は5,250億円(前年比108%)。今後も右肩上がりの成長を続け、2028年には6,330億円まで成⻑するとみられています。※1
※1出典:一般財団法人 デジタルコンテンツ協会 動画配信市場調査レポート2024
また同時に、動画市場分析において注目しておきたいのが、動画広告市場です。サイバーエージェント社と株式会社デジタルインファクトが共同で調査を行った「国内動画広告の市場調査」によると、2023年の動画広告市場は、昨年対比112%成長の6,253億円、 2027年には1兆228億円に達するとみられています。※ 2
※2出典:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
BtoBで企業PRに動画を活用するべき6つのメリット
そんな成長産業である動画市場。しかし実際のところ、「自分たちの企業で活用すべきかどうか」がまず知りたいですよね。ここからは、動画を作成することのメリットを確認し、検討の材料としてみましょう。
決済者の年齢層の動画視聴が増えている
近年、コロナ渦を経験したこともあり、YouTubeを中心とした動画コンテンツを含む、インターネット利用率が高まっています。総務省情報通信政策研究所の調査によると、平日の50代で「インターネット利用」が「テレビ(リアルタイム)視聴」を初めて上回り、前回令和4年度調査結果と比較すると、「インターネット利用」の平均利用時間が平日は10代のみではなく、50代及び60代で大幅に増加したとのことです。※3
※3出典:総務省情報通信政策研究所 令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書
加えて、若年層になるにつれて利用率が上がっていくことから、今後決済者となる人々へのアピールとして動画を活用することも有効といえます。
動画を通じた非対面での営業機会の増加
コロナ渦を経て、リモートでの打ち合わせが日常生活に定着しました。しかし、リモートの状態でプレゼンをする際、相手の顔が見えないこともあり、きちんと伝わっているか不安になった経験はありませんか?
そのような時でも動画を活用すれば、自社の強みや伝えたいメッセージ・事業内容なども、直感的にわかりやすく相手に伝わるため、より意向の高いリード獲得につながると考えられます。
BtoBは検討や稟議で多くの人が関わるが、動画であれば常に正確にわかりやすく情報を伝えられる
BtoCとは異なり、BtoBでは購入に向けた社内検討や稟議が発生し、こちらが直接プレゼンできていない人からも承認を得なければならない場合があります。しかし、常に担当者が上手に説明をできるとは限りません。
そんな時でも動画を活用すれば、あらゆる人に対し情報を正確にわかりやすく伝えることができ、決済までスムーズに進行できるでしょう。
ブランディング効果を狙える
ブランディングは、BtoCのイメージが強いですが、企業への「信頼度」がリード獲得の後押しとなるBtoBビジネスにおいても、重要な戦略の一つです。企業やサービスの認知度は、そのまま信頼度につながります。
また、前述したように、BtoBでは検討や稟議に複数の人が関わり、時間がかかるパターンが多くあります。その際、ブランディングで良いイメージを与えられていれば、スムーズに話が進むでしょう。
動画広告・展示会・採用など複数チャネルで効果を発揮する
動画は、一本作成すると様々な場所・タイミングで使用することができます。
例えば、会社紹介動画を作っておけば、自社HP・採用案内・展示会・動画広告など、複数のタイミングで使用することができるため、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
営業活動の質を保つことができる
動画は、営業活動でも有意義に活用することができます。
営業時に動画を用いて説明することで、個人の経験年数によってムラが出やすい営業トークを、常に一定のクオリティに保つことができます。企業全体の営業トークスキルを、担保することができるのです。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
そもそも、「BtoBマーケティング」と「BtoCマーケティング」の違いは何でしょうか?なんとなくざっくりとは知っているけれど‥という方も多いかと思います。ここからは、その違いを今一度しっかり確認してみましょう。
- マーケティング対象が異なる
BtoCマーケティングでは直接ユーザーに対してマーケティングするのに対し、BtoBマーケティングは企業(主に経営者など)を相手にマーケティングを行います。そのため、決定のプロセスで重視されるポイントが異なってきます。違いを正しく理解することで、効果的なBtoB施策を行いましょう。
- BtoBの方が、検討期間が長くなりやすい
BtoCは個人の意思で購入を即決できるが、BtoBでは稟議等の手続きを挟むため、検討期間が長くなりがちと言えます。
- BtoBの購買理由は、費用対効果が重視される
・BtoCは、趣味嗜好など個人の価値観で決定されるが、BtoBでは費用や購入によるメリット(=費用対効果)が重要視される。
BtoBで企業PRに動画を採用する際の注意点
ここまで、市場背景やメリットなど良い点を中心に説明してきました。しかし当然、注意すべき点も存在します。デメリットも含めしっかり検討し、より効果的なPR活用を実現しましょう。
作成コスト(時間・費用)がかかる
紙媒体などのテキストコンテンツに比べて、動画は絵コンテの作成や撮影、編集など多くの専門的な工程を踏むため、時間や費用がかかりやすい傾向にあります。作成する動画の汎用性など、費用対効果が期待できるか、しっかり検討すると良いでしょう。
動画が最適なマーケティングチャネルか検討する
これまで動画のメリットを多く説明してきましたが、場合によっては動画以外の媒体が適切なシーンもあります。
例えば、設計手順などを説明した動画の場合、一つ前の工程を確認するために動画を巻き戻さなければなりません。紙であれば、両手が塞がっていても、視覚だけですぐに確認ができます。
視聴者がどのような状況で動画を見るかをしっかり想定し、本当に動画が適切かどうかを判断することが大切です。
BtoBにおける、動画活用シーン&実例
では実際、BtoB企業はどんなシーンで動画を活用すべきなのでしょうか?実例をみながら、イメージを膨らませてみましょう。
認知拡大:ブランディングに動画を活用する(交通広告やディスプレイ広告、SNS広告、youtube広告など)
認知拡大においては、ターゲットの生活リズムの中でいかに接触していくかが重要になります。単純接触効果という言葉もあるように、繰り返し接触することで、認知度と比例して好感度も上げることができます。その中でも、完結でわかりやすく、印象に残りやすい動画コンテンツの活用は有効といえます。
具体的には、決済者の利用が多いと想定できるタクシー広告や、通勤時に接触しやすい屋外広告・車内広告の活用が考えられます。
また、日常使いが浸透しているyoutube広告、SNS広告においても、視聴者の興味を惹きやすい動画コンテンツはおすすめです。
商談時:動画を見せることで他社と分かりやすく比較検討してもらえる
商談時にも、動画を見せることで、複雑な情報も直感的にわかりやすく伝えることができます。他者と比較検討される際にも、自社のメリットや強みを明確に伝えることができます。また、検討の度に何度も見返してもらえることで、情報の劣化を防ぐことができます。
意思決定: 経営層が意思決定する際に動画があることでスムーズに決定されやすい
BtoBにおける社内検討は、稟議を通す必要性があるため、長い期間かかることが少なくありません。その中で動画を活用することができれば、経営層も具体的なイメージを持って検討することが可能です。また、数分程度の短尺動画であれば、忙しい経営層でも短時間で正確に情報を伝えることができます。
その他:採用、社内PRにも制作した動画を活用できる
せっかく作成した動画は、できるだけ多くのシーンで活用したいですよね。何より、汎用性が高いのが動画のメリットの一つ。前述したシーン以外にも、動画を活用できるタイミングがあります。
例えば、展示会のために作成した会社案内動画を採用に使用すれば、就活生へのイメージアップとして活用できます。また、会社の展望や理念について言及していれば、社内PRツールとして、社員の士気向上に役立てることもできます。
BtoBで作っておきたい動画4選
では実際、どんな動画を作成しておくべきでしょうか?動画作成をこれから始めていく企業におすすめなパターンを、4種ご紹介します。まずはこれらを作成して、動画をBtoBマーケティングに役立てましょう。
サービスや製品の紹介動画
せっかく動画を作成するのならば、売上UPに直接活用できることも大切です。
中でも、サービスや事例の紹介動画は、そのまま商談に活用することができます。また、内容を直感的に理解してもらえるため、決済者の意思決定の足掛かりにもなります。
会社紹介動画
会社紹介動画は、BtoB動画の中でも、商談や展示会・自社サイトや採用案内、社内PRなど、多くのシーンで使い回すことが可能です。そのため費用対効果も期待でき、BtoB動画制作の足掛かりとしてもおすすめです。
動画広告、youtube動画
最近は、多くのBtoB企業がyoutube広告を活用しています。短い尺の中で、キャッチーにメッセージを伝えることができれば、費用対効果を最大限に活用した動画展開が可能になるでしょう。
展示会など、イベント用動画
BtoBビジネスにおいて、新規顧客を獲得できる展示会は重要な機会です。動画は道ゆく人の目に止まりやすく、足を止めてもらえるきっかけとなります。その場合は、思わず足を止めてしまうような、印象に残る動画を作成しましょう。
BtoB動画の成功事例
ここまで、さまざまな事項を説明してきましたが、実際動画マーケティングが成功しているBtoB企業はあるのか、確認したいですよね。ここからは、BtoBにおける動画の成功例をご紹介します。BtoBでも、ブランディングが成功して名前が知られている企業は、実はたくさんあるのです。
ビズリーチのタクシー広告
ビズリーチは、BtoBでブランディングが成功している企業の代表例と言えるでしょう。様々なメディアでCMを見かけますが、決済者の利用が多く見込まれ、じっくり見てもらえるタクシー広告も積極的に活用しています。
検討中に「あのビズリーチか!」という共通認識があれば、社内検討もスムーズに進みそうですね。
キントーンのテレビCM
BtoBの事例といえば、サイボウズ株式会社が提供しているキントーンも有名です。毎回印象的な動画広告を作成し、「キントーン」というサービス名の刷り込みに成功しています。
BtoB動画の制作を依頼するときのポイントと流れ
ここまで、BtoBビジネスにおける動画の活用方法や、制作事例を見てきました。「よし、いよいよ動画を活用しよう!」となった時に、どのように制作会社に依頼すれば良いのでしょうか。
ここからは、制作会社とのやりとりで必要なポイントや、実際の流れを説明します。
制作会社に依頼する際のポイント
自社にとって、より満足度の高い動画を作成するために、制作会社に依頼する際のポイントをまとめました。
- 動画の目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 他社との相違点や強みなど、決済者が採決するきっかけになる内容を洗い出しておく
以上の点をあらかじめ確認し、質の良い動画制作を目指しましょう。
動画制作の相場
動画の長さや、撮影の規模感、アニメーション有無など、様々な要素で価格は変動していきます。ここでは、参考として価格の一例をご紹介します。
- 事例1:製品紹介動画(実写撮影・90秒)※絵コンテ、BGM、動画編集費用込み・・・約81万円〜
- 事例2:会社案内動画(アニメーション・3分)※絵コンテ、ナレーション+BGM、動画編集込み・・106万円〜
制作会社とのやりとりの流れ
実際に制作会社とやりとりする際は、以下の流れが基本になります。制作会社と密にコミュニケーションをとることで、よりリード獲得に繋がる質の良い動画を再作を目指しましょう。
まとめ
一見、つながりが見えにくい「BtoBマーケティング」と「動画活用」。ここまで説明してきたように、実はとても相性の良い組み合わせなのです。本記事が、動画活用に悩む皆様のお役に立てると嬉しいです。
株式会社シーズンでは、40年間BtoB企業に皆様によりそってきました。動画はもちろん、さまざまなお悩みに寄り添って、最適な媒体をご提案いたします!ぜひ一度ご相談ください。