投稿日:2025.04.07 更新日:2025.03.31

マーケティング施策を見える化!経営層に伝わるダッシュボードの作り方

株式会社シーズン マーケティング担当のマツイです。

突然ですが、皆さんは自社のマーケティング活動の成果を、自信を持って伝えられていますか?
「営業活動の効率化」「製品認知度アップ」を目指しマーケティング活動へ取り組んでいるものの、WEBサイトのアクセス状況、広告の効果測定など… 追いかけるべきデータの多さに、頭を抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。

弊社でも複数の分析ツールを活用していますが、私も日々の業務で「この数値はどこで確認するんだっけ?」「このデータとあのデータ、どう繋がっているんだろう?」と迷うことがあります。さらに経営層へ現状報告をする際、分析ツールの画面をそのまま共有しても状況が伝わらず、報告用の資料作成に時間を取られてしまうことも少なくありません。

このような課題を解決すべく、マーケティング活動の状況を的確に伝え、成果を最大化するために不可欠なのが「ダッシュボード」です。自動車の運転席にある計器類を由来とするように、ダッシュボードには重要な情報を一目で確認できる場所という役割があります。集計値や表、グラフなどにより施策の状況をリアルタイムで確認することができるダッシュボードは、意思決定のスピードを求められる現代のマーケティング環境において必須のツールと言えるでしょう。

そこで本記事では「経営層に伝わるダッシュボード」というテーマで、ダッシュボードについて解説していきます。本記事の内容が皆さんのマーケティング施策を周知させる手助けとなれば幸いです。

なぜダッシュボードが必須なのか?

ウェブサイトのアクセス数、売れ筋商品、実施した広告キャンペーンの成果…現代のビジネスは、まさにデータの海。これはマーケティング活動においても例外ではありません。データが爆発的に増加し、複雑化しているにもかかわらず、迅速かつ正確な意思決定が求められている現代のビジネス環境においてダッシュボードは必須のツールと言えるでしょう。

ダッシュボード作成のメリット

情報共有の効率化

これまで手間と時間がかかっていた分析データ共有が、ダッシュボードを見せるだけで済むため劇的にスムーズに。会議での報告資料作成時間も大幅に短縮されます。マーケティング部門と営業部門が顧客データを共有し、連携を強化することで、より効果的な販売戦略を立てることも可能になります。

目標達成への進捗を「見える化」

設定したKPI(重要業績評価指標)の達成度合いをリアルタイムで確認ができます。「今、どのくらい目標に近づいているのか」が一目でわかるため、チーム全体のモチベーション向上にも繋がり、目標達成への意識が高まります。

隠れた課題やチャンスを発見

普段は気づきにくいデータの微妙な変化や傾向を可視化することで、新たな課題やビジネスチャンスの発見に繋がります。例えば、顧客の行動データを分析することで、潜在的なニーズを把握し、新商品開発のヒントを得ることが可能になります。

効果的なダッシュボードを作るための4つのポイント

効果的なマーケティングダッシュボードを設計するためには、4つのポイントがあります。

  • 明確な目的の設定

まず、ダッシュボードの目的を明確に定義することが重要です。何を知りたいのか、どのような意思決定を支援したいのか、達成したい目標は何なのかを具体的に定めることで、設計の方向性が決まります 。例えば、ウェブサイトのトラフィック増加が目的であれば、トラフィック数、流入元、コンバージョン率などの指標を中心に構成する必要があります。マーケティングダッシュボードに含めるべき内容は、企業の規模、ビジネス目標、マーケティング目標、マーケティング戦略の種類など、複数の要因によって異なります。

  • ユーザー中心の設計

続いて、ダッシュボード設計において不可欠なのは、誰がそのダッシュボードを利用するのか(ターゲットオーディエンス)を特定し、そのニーズを深く理解することです。経営層、マーケティングチーム、営業チームなど、ユーザーが異なれば、求める情報や分析の深さも大きく変わります。例えば、経営層にはビジネス全体のパフォーマンス概要、マーケティングチームには個々のキャンペーンの詳細な分析結果、そして営業チームには担当リードの状況や売上への貢献度など、ターゲットオーディエンスの役割や関心事を正確に捉え、正しい情報を提供できるようカスタマイズしましょう

  • 適切なデータの選択と統合

目的とユーザーニーズに基づいて、適切なデータソースを選択し、必要なデータを統合します。データの信頼性、関連性、粒度を考慮し、質の高いデータのみを使用することが重要です。複数のプラットフォームに分散しているデータを一元的に集約することで、全体像を把握しやすくなり、より深い洞察を得ることができます。

  • 効果的な視覚化

最後に、データを分かりやすく伝えるための効果的な視覚化手法の選択です。グラフの種類(棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど)、色使い、レイアウトなどを適切に使い分けることで、データの理解を促進し、重要なポイントを際立たせることができます。インタラクティブな機能(ドリルダウン、フィルタリングなど)を導入することで、データをより深く探索し、分析することも可能になります。

経営層を「なるほど!」と唸らせるダッシュボード

経営層が本当に知りたい情報とは

経営層がビジネスの意思決定で最も重視するのは、売上、利益、投資対効果(ROI)、顧客獲得コストといった、会社の成長に直接影響する指標です。マーケティング活動がこれらの重要な指標にどう貢献しているかをハッキリ示すことが、経営層の理解と賛同を得るための絶対条件。ダッシュボードは、色々なマーケティングデータを集めて、これらの主要なビジネス指標との関係性を分かりやすく示すことで、担当者だけでなく経営層にとっても非常に価値のあるツールとなります。

またほぼリアルタイムのデータを提供することで、経営層は市場の変化やキャンペーンの成果を素早く把握し、タイミングを逃さずに意思決定を下すことができます。競争が激しい今のビジネスの世界では、このスピード感が他社に差をつける上で非常に重要です。

さらにいつもと違う数値や予想外の動きをいち早く見つけるアラート機能などを使えば、リスクを事前に防いだり、ビジネスチャンスを逃さずに掴んだりするための迅速な対応をサポートしてくれます。

経営層への効果的な伝え方「データはストーリーで語る」

データに基づいたストーリーテリングは、経営層の深い理解を得るための強力な武器となります。どんなに素晴らしいダッシュボードが作れたとしても、その内容が経営層にきちんと伝わらなければ意味がありません。単に数字を見せるのではなく、「この数字は何を意味するのか」「なぜこのような結果になったのか」「そして、今後どうするべきなのか」というストーリーを、簡潔かつ分かりやすく説明することが重要です。

またデータから得られた示唆を具体的なアクションプランに繋げることで、経営層はマーケティング活動の価値をより深く理解し支持してくれるでしょう。

作って終わりじゃない!ダッシュボードは継続的な改善がカギ

ダッシュボードは、一度作ったら終わりではありません。ビジネス環境の変化に合わせて、常に改善していくことが重要です。

  • 目標と指標の見直し: ビジネス戦略や市場の変化に合わせて、追跡すべき目標やKPIも変化します。定期的に見直し、時代に合ったダッシュボードにアップデートしましょう。
  • データの品質管理: 正確なデータに基づいた分析でなければ意味がありません。データ入力ルールの徹底や定期的なデータチェックを行い、信頼性の高い情報を維持しましょう。
  • セキュリティ対策: 重要な経営データを扱うため、アクセス権限の管理や情報漏洩対策は万全に行いましょう。

まとめ

ダッシュボードで経営層との共通言語を確立し、事業成長を加速する

本記事では、マーケティング活動の「見える化」を実現し、その成果を経営層に効果的に伝えるためのダッシュボードの作り方について解説しました。

現代のマーケティング担当者は、多岐にわたるデータを追いかける日々に追われ、その成果を経営層に的確に伝えることに非常に苦労していると思います。私もまた、その一人でした。しかし、複数のデータを統合し、リアルタイムに可視化するダッシュボードは、まさにそうした課題を解決し、マーケティング部門と経営層との間に共通言語を築くための強力な武器となります。

本記事が、皆様のマーケティング活動におけるデータ活用の一助となり、経営層との連携を強化、事業成長を加速させるための一歩となることを心より願っております。

またシーズンでは、WEBページ等のデータ解析をはじめ、企画提案や各施策のグラフィック作成、などマーケティング活動全般のサポートを行なっております。
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